2012.8.28
豆苗は、シャキシャキの歯ごたえとクセのないおいしさが人気ですが、
栄養価の高さも魅力の一つです。
豆苗の栄養で注目なのは、なんといってもβ-カロテン。
ほうれんそう、小松菜、ちんげん菜、春菊、にら といった
一般的な葉物野菜の中でも最も多くのβ-カロテンを含んでいます。
[caption id="attachment_536" align="alignnone" width="267"] βカロテンの含有量ランキング(データ元:日本食品標準成分表2010)[/caption]
β-カロテンはビタミンA前駆体とよばれる、
体内でビタミンAに変わる成分。
ビタミンAは、ビタミンCやビタミンEと並ぶ
抗酸化ビタミンの代表選手で、からだのサビを防ぎ、
若々しさを保つ効果が期待できます。
そのほか、ビタミンAには皮膚や粘膜を健康に保つ、視力の維持などの
働きもあります。
β-カロテンは油といっしょに摂ると
吸収率が高まる成分なので、
豆苗の定番料理「豆苗炒め」は、
栄養的に非常に理にかなった調理法ということができます。
<つづく>
2012.8.28
中国で季節限定の高級食材として愛されていた豆苗が
日本に伝わったのは、1970年代の日中国交回復以降のこと。
当時は、主に台湾から輸入され、高級中国料理店でのみ
取り扱われる貴重品でした。
高級食材だった豆苗が、一般野菜として家庭に普及しはじめたのは
それから約20年が経った1990年代。
年間通して安定生産可能な、植物工場での栽培がはじまったことで、
徐々に日本の家庭に浸透していきました。
植物工場で生産される豆苗(村上農園大井川第2生産センター)
年間とおして安定価格で、
お財布にやさしい、
今大人気の豆苗は、栽培技術が発達したことで誕生した、
比較的あたらしい新野菜というわけです。
【過去の記事】
中国の高級食材だった豆苗についてはコチラ
そのそも豆苗ってなに?という方はコチラ
<つづく>
2012.7.18
豆苗が、グリーンピースやサヤエンドウと同じエンドウの仲間である
ことは基礎知識(1)でご案内しましたが、
このエンドウ、実は人と最も付き合いの古い作物の1つで、
新石器時代(紀元前7000年ごろ)には、中東のメソポタミア近辺で
すでに栽培されていたことが確認されています。
古代エジプトの第18代王朝の王、ツタンカーメンの墳墓からも
副葬品と一緒に発掘されているんですよ。
このエンドウの葉と茎を食べる、豆苗が誕生したのは中国でのこと。
当時は、人の背丈ほどに育ったエンドウの若い芽を摘み取る、
季節限定の貴重品でした。
[caption id="attachment_204" align="alignnone" width="300"] 大きく育ったエンドウの若い芽を摘みとった豆苗[/caption]
?<つづく>