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育々研究室
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再生栽培のコツ
豆苗は葉と茎を食べ終わったあと、根を水に浸しておくと、
新しい芽が伸びて7日から10日で再収穫できます。
おトク感があって、手軽なキッチン菜園として楽しめるうえに、
子どもの食育にもよいと好評です。
再生栽培のコツについて、検証してみました!
検証チームが注目したのが脇芽(わきめ)
です。脇芽とは、
植物が新たに芽を
伸ばしていく部分
(成長点)です。豆苗の再生栽培とは、葉と茎を食べた
あと、
切り落とした豆近くの茎にある脇芽を成長させて、再び収穫すること
です。豆苗の根元の茎をよく観察すると、
脇芽が2つある
ことがわかります。
仮に、葉に近い上の方を「脇芽①」、その下を「脇芽②」と呼びます。
下記条件でカットし、同じ環境で水栽培してみました。
A:脇芽①の上でカット
B:脇芽①を残さずに豆のすぐ上(脇芽②の上)でカット
脇芽①を残したAは、生育速度が早く、Bより2日前に
収穫できました。脇芽②は成長の準備ができていない
ため、生育に時間がかかったようです。
早く確実に収穫するには、脇芽①の上でカット
するのがおすすめ
です。調理でカットする場合は、
この脇芽をよく確認して上の方の脇芽が残るように
カットするようにしましょう。
強い再生力を持つ豆苗。いったい何回の再収穫が可能な
のでしょうか? また、肥料を与えれば収穫量が増える
のでしょうか? 肥料の有無で比較検証してみました。
A:水のみで栽培 B:肥料水で栽培
どちらの場合も、夏場を除いて
おおむね2回の再収穫が
可能
でした。3回目以降は、成長するための脇芽がなく
なり、著しく成長が弱くなりました。夏は容器内の水温
が上がるため、豆が腐ったり、カビが生えたり、藻が
発生するといった成育中のトラブルが多くなります。
AとBでの生育を比較すると、
肥料水の方が収穫量は多くなりました。ただ、Bは藻が発生するリスクが高い
ようです。
条件が揃えば再生栽培は2回まで可能
ですが、豆にカビが
生えるなど、衛生面で問題が生じがち。
1回終了したら、
また新しい苗で挑戦するのがおすすめ
です。
使用する水は「肥料水」より「水」の方がベター。
夏場はなるべく2回以上、水を替えて!
再生栽培を行うときに、どこに置いて
育てるかは悩みどころ。下記条件で、
日当りと生育の関係を検証しました。
A:日の当たる屋外
B:室内で近くに窓のあって明るい場所
C:室内で近くに窓のない場所
収穫量だけで見ると、Aの「屋外」が
いちばん
でした。ただ天気に左右され、
早く茎が固くなって食感が落ちたり、
虫がついたりする心配がありました。
Cのように日の当たらない室内で育てると、
茎がひょろ長く、葉が小さくなり、
緑も薄くなりました。
Bの「窓のある室内」で育てたものは、
全体的に葉が大きく、緑も濃く、
バランスが取れた状態で育ちました。
日当りのいい室内で栽培するのが、味、栽培日数、
収穫量を総合してベスト
でした。室内でも窓があって
日当りのよい場所で再生栽培をするのがおすすめ
です。ただし、豆苗の栽培は、暑すぎても寒すぎても
うまくいきませんので、
夏場の直射日光は避け、
明るい室内で育てましょう。
夏は1日2回以上、そのほかの季節も1日に1回は水を替えてください。
水替えのポイントは水の量。豆まで水に浸った状態は、豆が腐る原因にな
るので、根だけが浸る水位を目安に、容器に水を注いでください。
その際、蒸発した分を足していくのではなく、水を完全に入れ替えて!
植物の育成のために必要なものは、水・空気・光・温度。とりわけ水は大切な
要素です。きれいな水で清潔な状態を保ち、おいしい豆苗を育てましょう!
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