スルフォラファン 最新研究レポート ブロッコリースプラウトや有用成分「スルフォラファン」について、最新の研究で明らかになってきた機能をご紹介します。

ブロッコリー スプラウトと便通改善作用

筑波大学 谷中昭典教授の研究

不規則な便通には、バランスの悪い食生活や精神的なストレスなど様々な要因が関係していると言われています。最近の研究では「酸化ストレス」が便秘の原因になることが明らかになってきました。
一方で、ブロッコリー スプラウトに含まれる有用成分「スルフォラファン」には、体内の抗酸化作用(酸化ストレスに立ち向かう作用)を高める働きがあることが分かっています。もしかすると、スルフォラファンを豊富に含むブロッコリー スプラウトを食べることで便通が改善されるのでは? その疑問を解決するため、筑波大学の谷中教授は、ブロッコリー スプラウトと便通に関する臨床研究を行いました。

酸化とストレス

酸化ストレスとは、喫煙や紫外線、日々のストレスなどによって体内で過剰に発生した活性酸素が、細胞やDNAを傷つけ、疾病や老化など様々な障害を引き起こすことを言います。酸化ストレスは、腸や筋肉の組織細胞にもダメージを与え、それによって排便活動に関わる運動性や腸液の分泌といった腸の機能を弱めてしまうため、便秘などの不規則な便通を引き起こす原因となります。

研究方法

軽い便秘傾向のある男女48名を2グループに分け、1グループにはスルフォラファンを高濃度に含むブロッコリー スプラウト※1を、別グループにはスルフォラファンを含まないアルファルファ スプラウトを1日20gずつ4週間食べ続けてもらい、便通への影響を調べました。

※1: 発芽約3日目のブロッコリー スプラウト

結果

ブロッコリー スプラウトを食べたグループで、便通スコア※2に減少傾向がみられました。

※2: 排便頻度や排便に要する時間など8つの要因を点数化したもの。点数が高いほど便通に問題がある。

ブロッコリー スプラウトを摂食したグループでは、摂食を開始して4週間後に、便通スコアの平均値が明らかに低下しましたが、アルファルファ スプラウトのグループではそれが見られませんでした。また、ブロッコリー スプラウトグループでは、摂食を終了して4週間後も便通スコアが低いまま持続しました。

引用:
Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition
Article ID: 17-42

考察

1日に20gのブロッコリー スプラウトを4週間食べ続けた結果、便通が改善しました。ブロッコリー スプラウトに含まれる有用成分「スルフォラファン」には、体内の抗酸化作用を高める働きがあります。この抗酸化作用が、便秘の原因の一つである「酸化ストレス」から腸を保護することで、便通改善につながると考えられます。

世界中の膨大な数の人々が、日常生活において便通に問題を抱えていると報告されています。便通の問題は、生活の質(QOL)を損なう要因となるため、日々の生活の中で実践可能な解決方法を見つけることが重要です。
これまでに私たちは、ブロッコリー スプラウトに含まれる有用成分スルフォラファンの摂取で、体内の抗酸化酵素が増え、抗酸化作用が高まることを報告しています。今回の研究で、この抗酸化作用によって便通が改善する可能性が示唆されました。研究参加者に摂取していただいたブロッコリー スプラウトは1日に20g。毎日の食事に無理なく取り入れられる量です。ブロッコリー スプラウトの摂取は、便通の問題とそれに伴うQOLの低下を、日常生活の中で解決する手段となり得るものと期待できます。

谷中 昭典(やなか あきのり)
筑波大学 医学医療系
日立社会連携教育センター 教授・医学博士

スルフォラファンに関する様々な研究

ブロッコリー スプラウトや有用成分スルフォラファンについては、便通改善効果以外にも様々な研究成果が発表されています。

スルフォラファン研究論文アーカイブ(村上農園ウェブサイト)
http://www.murakamifarm.com/about/functional/sulforaphane/archive/